経費で落とすとは

経費で落とすためにレシートを集めている人がいますが、なぜこのような事をしているのかというと、事業をしている人は収入から経費を差し引いた利益に対して税金が課されるため、なるべく利益を少なくするために経費の証拠であるレシートを集めているのです。

ただし、会社の場合には1年間に支払った交際費のうち、1部は経費として認められないことになっていますので、必ずしもレシートを沢山集めたからといって税金を支払わなくて済むという訳ではありません。

また、そもそもレシートを沢山集めても経費として認められるのは、あくまで事業に直接関係のあるものだけですので、例えば、いくらプライベートに関するものを集めたとしても、それは計上してはいけないことになっています。

もしも関係のないものを計上してしまった場合には、税務調査の際に否認されて追徴課税される可能性がありますので、経費になるか不明なものについては、事前に顧問税理士に相談をしましょう。そうすれば、会計事務所の側で、その支出が経費になるか認められないか判断してくれます。

実際にあった例ですが、税務署にばれないと思って事業に関係のない遊興費の領収書を費用経常していた経営者がいました。会計事務所の担当者には領収書を必要のないときは渡していなかったので、本来計上してはいけない経費がそのまま計上されてしまいました。

その数年後、税務調査が突然やってきて調査官が1枚ずつ領収書を確認したところ、明らかに不自然な領収書が見つかってしまい、結果として脱税行為とみなされて多額の追徴課税が発生してしまいました。

経営者の中には、プライベートの経費がばれたらしょうがない程度に思っている人も少なくありませんが、税務調査で発覚した場合には最悪のケースだと青色申告の適用が取り消しになる場合もあり、また要注意企業として定期的に税務署が調査にやってくる可能性も十分にあります。

また、中には金額が小さければ特に問題視されることはないだろうと思っている人もいるようですが、税務調査ではどんなに小さいことでも脱税行為をしていることが発覚した場合には、記録に残って要注意企業に登録される可能性もあるので注意が必要です。

とは言え、間違えてプライベートの領収書を会社で精算してしまう可能性もあると思いますので、出来れば定期的に会計事務所の担当者に領収書や請求書をチェックしてもらい、本来経費で落とすことができないものが計上されていないか、プロの目で監査してもらうのが良いでしょう。